学校って何だろう―教育の社会学入門 (ちくま文庫)
苅谷 剛彦
教育関係の本とか久々に読んだなぁ。この本は大学3年の時(だっけな?)の教職論の授業で紹介されていたもので、ちょうどいいタイミングがあったのでceekz氏から借りてきました。
校則や教科書がなぜ存在するのか。これ聞かれたらホント困っちゃいますね。なんとなく理由もありそうだし、自分なりに答えられそうだけれど、いまいち自信がない。
そんな「なぜ」がわかりにくい「学校」について、いろいろな視点から観察してみようというのがこの本の主旨になっている。もともと、毎日中学生新聞で連載されていたものを書籍化したものということで、語りかけの対象は中学生になっている。ただし、中学生向けにしては若干難しい内容かもしれない。むしろ、学校のなぜは大人だって答えにくい(られない?)問題だから、社会人や子供をもつ親などの世代が読むといいんじゃないかなとも思う。
ちょうど小中高大と一通りの教育を受けさせてもらい、そして教育実習で教員としての立場も覗いたという立場で、筆者の言っていることが経験からしてよく理解できる内容だった。中でも先生の世界と生徒の世界という2つの世界は、どちらの世界を覗いても「そうだよねぇ」って共感できた。
ちなみに、この本には「なぜ」の答えは載っていない。歴史的にはこんな経緯があってね、外国と比較するとこういう違いがあってね、みたいにある程度の道筋を示してくれ、じゃぁあなたの答えはどんな感じかね?と問う形になっている。そのため、読みながら自分なりの答えを考え、答えを照らし合わせながら読むと理解も深まるかもしれない。
自分も「なぜ勉強するのか」「なぜ校則があるのか」などの答えを考えながら読み進めたけれど、自分の考える答えもおおむね間違っていないようだった。ただちょっと足りない視点や知識があったりしたので、その点を本書がうまく補ってくれたと思う。特に学校に関する歴史的な経緯は、大学の授業でも習っていた(と思われる??)ものの、ほとんど聞いていなかったので(!!)、学びながら答えを深めることができたと思う。
加えて印象に残ったこととして、カリキュラムのところで教科の枠がなかったら「水」の授業が国語・理科・社会・芸術などあらゆる学問領域にまたがって勉強できる、ということがあげられる。個人的にはそんな学び方ができたらなんて素晴らしいんだろう!と思う。学ぶ人が興味を持つからこそ、国語・理科・・・などの学問と呼ばれる知識が必要になり、各教科を学ぶ意味になるのだと思う。最後のほうで小山内さん(金八先生の脚本家)もこの点に触れていましたが、これこそまさしく「総合的な学習の時間」。今後の傾向で縮小傾向にもっていかれそうだけれど、各教科を学ぶ一つの意味として残していくべき科目じゃないかなと思う。
さらにちょこっと、独り言を加えておくと、「総合的な学習の時間」自体は誰も悪いとは思っていないだろうけれど、先生が準備するのに手間がかかる→手間の割に実のある授業にならない→授業時間を無駄に消費しているだけ→学力低下の一因だからやめろ、ってな悪い流れがあるから縮小方向なのかなと思っている。先生の準備は大変だろうというのは、すんごくよくわかるんだけど、「総合的な学習の時間」という科目の存在価値は、その手間に左右されるような気がするね。
ま、そんな感じの読書感想文でした。うへ、書くのに2時間かかっているよ。これで1000字ちょいか。原稿用紙3枚分の読書感想文って小学校何年生レベル?
2008/07/20 22:42:25 | Trackbacks (0) | Comments (3) | 未分類
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こんにちわ!!
おもしろそうな本だね。。
うちの附属小では、生徒が授業を進めていくんだけど
普段から自分たちなりの疑問の視点とか
とりあげたいことを持ってて
だから総合学習も 生徒が自分の興味にあわせてとりあげて研究して発表するシステムができてるよ。
たぶん 総合学習だけでなんとかしようとしてもだめなんだろうね。。。
先生になるのですか?
研究室に中学生とか小学生が総合学習か何かの一環でたまに来るよ!
あと、私立高校だけどプチ実習みたいな感じで、船で霞ヶ浦を調べに行ったりしたなぁ。学校の先生も準備するんだろうけど、俺ら主体だから先生の負担も軽くなるし、案外生徒も興味を持ってくれてるみたい!!
俺らにしても、どうやったら興味を持ってくれるか?とかいろいろ勉強になるしね!
霞ヶ浦の某テーマパーク館長が、県外からは課外学習に来るけど、地元の学校は一校も来ないって嘆いてた。
先生も地元で活かせる施設だとかイベントを見つける必要があるかもね!!
お二人ともコメントありがとう!
>うちの附属小では、生徒が授業を進めていくんだけど
おぉ、小学校から自主的に調査・研究するのか。それなりにデキる子ばかりなら、小学校でも児童の興味に合わせて学ぶ方法が一番だよね。やんちゃ坊主ばかりだとまとめるの大変そうだね(笑)
>俺ら主体だから先生の負担も軽くなるし
そうだね、学校から飛び出して授業するところがおおいね。桜川市とかだと地域に住んでる何らかの分野に詳しい人を何人か呼んで、いくつかのテーマで授業していたりするみたい。
いずれの方法でも、ある程度先生による下準備や脱線防止のサポートが必要だと思うので、普通の授業とは違う手間があるのも事実かなぁと思う。(勝手な偏見で)先生とか外との接触苦手そうだから、そのあたりを面倒臭がってテキトーに済ませちゃうところもあるのかなぁとも思っている。
「総合的な学習の時間」はまだ試行錯誤的な部分が多いから、現段階で意味のあるものか否か決めつけるのは難しいかもね。
>先生になるのですか?
一応まだあきらめていないです。ってかあきらめるも何も、まだ挑戦も準備もしていないけれど(笑)