Googleを支える技術 - 巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)
西田 圭介
6seseさんに借りた本なんだけれど、何ヵ月借りているんだよ!ってくらいずっと読んでいなかった本。2章くらいまでその後忙しくなって数ヵ月、やっと読み終えました。ってか読み終わらせました。
amazonでGoogleと検索すると、だいたい使い方の解説本しか出てこないのだけれど、この本は技術的な部分についてしっかり解説してくれている。Googleの発表している論文から書かれている内容なので、根拠もしっかりしている。
本の内容は大まかに検索技術、分散技術、コストに分けられる。中でも個人的に興味をひかれたのは分散技術。大きなWebシステムになると、どうしても分散を考慮しなければならない。この分散をどう実装するかが結構頭を悩ます。本からわかるがGoogleの分散技術は非常にスマートである。大概のシステムは分散といってもロードバランサーとかレプリケーションを使って済ますのだけれど、Googleは根本から分散を意識したシステムになっている。しかもフレームワークもできているので、プログラマーはそれほど分散を意識しなくても開発できるようになっている。
詳しいことは本を読んでもらうとして、Googleほどの巨大システムがどのように分散を行っているのか、非常に勉強になる本である。実際問題として本に書かれるような分散システムが必要になるのはかなり稀かもしれないが、マルチスレッドアプリケーションの開発などでも同様の考え方が適用できると思う。最近はGoogle App Engineなどのサービスも始まったので、Googleの能力を最大限に利用したいのであれば、一読して損はないと思う。
それにしてもGoogleのシステムは巨大だ。本を読んで中身を知るほど、そのスケールの大きさに驚く。たった1行の検索窓の向こうにある世界が、非常に複雑で大きな存在であることを感じるようになる1冊である。
2009/01/17 22:00:43 | Trackbacks (0) | Comments (0) | Book,Technology
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